負の感情とのつきあい方

怒り、恨み、嫉妬…

負の感情を「よくないもの」と思っている方もいるかもしれませんが、負の感情は私たちに大切なことを教えてくれているのです。

負の感情は、ここに何かが眠っているよ、というメッセージです。

私たちは自分が感じていること、考えていること等のすべてを認識しているわけではありません。(潜在意識についてはこちら)意識していないけれども、確かに感じていたり、反応していたりする部分があるのです。負の感情は、潜在意識からの「ここを見て! みつけて! 気づいて!」というメッセージです。

例えば、怒り。

怒りは大切なものを傷つけられたり、失ったりしたときに衝動的に起こる感情です。怒りを掘り下げていくと、悲しみや嘆きの感情に行きつくともいいます。怒りが起こったとき、「私は本当は何に怒っているのだろう」「本当に失いたくないものは何だろう」と考えてみて下さい。

嫉妬は、自分が欲しいものを他人が手に入れているときに起こる感情です。「私が本当に欲しいもの何だろう」と聞いてみて下さい。

負の感情は私たちが欲しいもの、求めていもの、失いたくないもの、でもそうとは認めたくないものを教えてくれるのです。

重要なのは、負の感情を抑圧しない、隠さないことです。どんなに抑圧しても、どんな奥深くに隠しても、何かの折にその影が顔を出します。その影の部分が自分を苦しめ、他人にも嫌な思いをさせます。この負の感情を認めない限り、永遠に続きます。

負の感情を認めて、受け容れて、気づいて、終わらせること。

これは方法論としてはとってもかんたんです。(心理学でいう投影という現象です)

負の感情が湧き上がってきたときに、「私、こんなふうに感じているんだな」と認める、「こんなふうに感じる私がいてもいいよね」と受け容れる、「私の本当に欲しかったのはこれだったんだ」と本音に気づく、「求めたものはちゃんと手に入っている」あるいは「そんなに求めなくても、もう大丈夫」と終わらせる。これだけです。

必要なのは、生身の自分と向き合う勇気と覚悟。負の感情の奥にあるのは認めたくない思いです。認めたくない自分、受け入れたくない自分がそこにいます。

それができたときの爽快感、目の前が開ける感覚を体験するとやみつきになります。ですが、その先に視界が開けることを知らないまま、暗闇の中を歩んでいくことは、苦しいこともあきらめたくなることもあるものです。

自分の闇を受け容れることができたとき、他人の闇を受け容れることができるようになります。闇を受け容れることが人間的成長への道です。

もし、喜びと幸せに満たされて、明るく楽しく生きることを望むなら、負の感情を捨てたり否定したりしないことです。負の部分、暗くて黒くてどろどろした部分もまるごと認めて、受け入れて愛し、慈しむことです。